2020年9月19日土曜日

何の花ぞと問ふと大理牙(ダリヤです)と答へたるをそのまゝ花の名としたのだと



白井博士教示に天保十三年初めて輸入され、
初めは蘭名ラノンケルで通用したが、
葉花共にやや牡丹に近いゆゑ天竺牡丹と俗称したと、
舶上花譜に出づと。
今年紀元節号「日本及日本人」に、
山内嵒氏いはく、
雲南の大理府はこの草の原産地で、
外国人はじめてこの花を広東で見た時、
何の花ぞと問ふと大理牙(ダリヤです)と答へたるをそのまゝ花の名としたのだと。

―南方熊楠― 『きのふけふの草花』より