2020年9月21日月曜日

白い芽の痕が多く上に出たものを勝ちとして種子のとりつこをするのである



木の実どちといふのは国の遊びで、
椿の種子のあるきめられた形のもののうちからいくつかを択んでめいめいが同じ数だけ出しあひ、
それをいつしよにしてひとりづつかはるがはる両手のなかでふつてから畳のうへにあけてみて、
白い芽の痕が多く上に出たものを勝ちとして種子のとりつこをするのである。

―中勘助― 『銀の匙』より