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2016年12月27日火曜日

汚染物質を吸収蓄積する植物 ハイパー・アキュミレーター植物について シラタマノキのイラスト



今日のイラストは「シラタマノキ」です。
ツツジ科の常緑小低木で、白い実をつけます。
似ているもので「雪晃木」という植物もあります。

宮城県、秋田県、岩手県の3県またがる栗駒山(標高1626m)の周辺には「シラタマノキ湿原」があり、シラタマノキが保護されているそうです。

シラタマノキ湿原はツンドラ湿原とよばれる泥炭層で、コケからできた鉄分を多く含む泥炭からなり、学術的に貴重な場所だといいます。

シラタマノキは「比較的乾燥した場所に生える」とのことですが……。
栗駒山のシラタマノキ湿原は湿原。

湿原。

湿原は『淡水によって湿った草原を指す』と、wiki先生が言っています。

湿っていたら、比較的乾燥した場所に生えるシラタマノキは生えるのか?

と思って、調べてみたところ、シラタマノキは「岩石帯や砂礫地などやせた地に生息してる」という記述も見かけました。

では、湿度ではなく、土の性質に関係するのかな? と思って検索しましたら。

シラタマノキはツツジ科の火山性植物で「火山地帯の硫黄分の強い土地でも育つ」そうです。と書かれていました。

シラタマノキの実をつぶすと、サリチル酸の匂いがします。
サリチル酸臭って? サロメチールの匂いですね。
シラタマノキの仲間は葉っぱや実に、サリチル酸メチルを多く含んでいます。

植物は生育環境が変わったり、昆虫や病原菌の害を受けたりすると、自分を守るために独自の防御策をとります。

環境の変化にはアブシジン酸、虫に食べられないためにジャスモン酸、病原菌の感性を防ぐためにサリチル酸を生合成し、ストレスに耐えるためのタンパク質を合成します。

シラタマノキは身を守るために、サリチル酸を生合成したのでしょうかね?
火山が関係しているのでしょうか?

植物の中には汚染されている土壌や金属類が多く含まれる土地を好んで生息するものがいて、汚染物質を吸収する植物のことを「ハイパー・アキュミレーター植物」と呼ぶそうです。

ハイパー・アキュミレーター植物」は、他の植物が育たない環境に生息します。
これは、子孫を残すための生き残り作戦。

国立環境研究所発行の「国環研ニュース26巻」に、
生物圏環境研究領域生態遺伝研究室主任研究員の玉置雅紀の研究ノート
「毒を貯める植物 −植物はなぜ重金属を貯めるのか?−」が掲載されています。

こちらに、ハイパー・アキュミレーター植物のことが詳しく書かれていました。

シラタマノキにある成分「サリチル酸」は植物が病原菌の二次感染を防ぐために自ら作り出している成分ですが、害虫に対する防御目的もあるとのこと。

北米に自生するアブラナ科の植物スタンレヤ・ピナータは、土壌汚染物質であり金属の一種でもあるセレンを高蓄積するハイパー・アキュミレーター植物

この、スタンレヤ・ピナータはセレンが含まれていない土壌に育った場合でも、エチレン・ジャスモン酸とサリチル酸の合成を通して、害虫から身を守るための防御タンパク質を生産するそうです。

ちなみに、セレンがある土地に育っているスタンレヤ・ピナータは防御タンパク質を作りません。

防御タンパク質を作らないほうが、生育が良くなる(セレンがある土地に育っているほうが)と言います。

ハイパー・アキュミレーター植物、すごいですね。

シラタマノキもハイパー・アキュミレーター植物なのでしょうか?
植物の世界は奥が深いですね。

最後に、みんなに自慢できちゃう、プチ情報を!

ヤナギの樹皮は、古来痛み止めとして用いられていました。
これは、ヤナギの成分サリシンが人の体内に入ると、サリチル酸に変化し抗炎症作用を著すからなんですって。

あ、知っていました? それは、失礼しました。

2016年12月25日日曜日

武田信玄は山の神だったのか…… 日陰ツヅジのイラスト 




今日のイラストは「日陰ツツジ」です。




そしてまた、一見すると関係のないような武田信玄をタイトルにもってくる。



大きな風呂敷をタイトルでひろげるわけですが、あきれず最後までお付き合いいただければと……。




ツツジの仲間で、淡い黄白色の花が特徴的です。開花時期は4月~5月。


山の崖や谷など、足場が悪く日当たりが悪い場所に咲くので「日陰」の名称がついたようですね。



ツツジというと、春のポカポカ陽気に咲く、美しい花というイメージがあります。


ピンク、赤、紫、オレンジと華やかな色の花が咲きます。



ツツジを感じで書くと「躑躅」。どくろ? と間違えそうです。私だけ?



なんで、こんな漢字に……と思って調べましたら。


躑躅⇒てきちょく。とも読むそうです。


進んでは止まるという意味があり、花の美しさに見る人が足を止めることから、
躑躅⇒ツツジと読むようになった説と。



もともとは、
躑躅の前に羊の文字がつく、羊躑躅と書き、ツツジの葉には毒があり、その葉を食べた羊が毒にやられて、足がフラフラして死んでしまう様子から、躑躅と書くようになったという説があります。



ツツジの花をとって、蜜を吸っていた覚えのある人、多いと思います。


葉には毒があるものがあるのですねぇ。こわこわ。



ツツジは農耕にも関係があり、古くは山にツツジが咲くと、農耕開始の合図とされていたようです。

この文章を書いていてフッと思い出したのですが、魚沼(小出)では5月に山の祭りがおこなわれていました。


今は「小出公園さくら・つつじまつり」ですが。



これ、山の神を里に迎える、農耕のお祭りの一環ではないかと?



4月8日や5月8日に、山に登りツツジや藤など季節の花をとってきて、竿の先につけて家や庭先に飾る、天道花の風習。


山から里へと、山の神様を迎えて農作物の加護を祈るお祭りです。


近畿や中国、四国地方の民族風習だと言います。



ツツジなどの花枝が憑代となって、神様がやどるわけです。



ちなみに、武田信玄の居城名にも躑躅の文字がつきます。


躑躅ヶ崎館。躑躅ヶ崎という尾根があり、そこに居城を構えたことが由来と言われています。


ただ、躑躅ヶ崎館内にはツツジはないそうです。



縁起をかついで、躑躅ケ崎を選んだのかなぁ、ツツジは縁起がいいのかなぁ、
と思って調べましたが、所以は見つかりませんでした。



躑躅は縁起木ではあるようですがね。



山の神のやどりぎとして躑躅が使われているから、躑躅にしたのかとも思ったのですが、
わかりませんでしたぁ~!



ただ、80年代に放送された大河ドラマ「武田信玄」では
信玄が亡くなったとき、その死を知った織田信長が
「そうか死んだか……山の神、武田信玄」と言った(セリフで)ようです。



信玄が甲斐の土地の山の神であり、躑躅という名のつく居城が憑代であったのかもしれませんね。



お役目を終え、12月の山の神の日に、信玄も山に帰っていったのかもしれません……。



うまくまとまった! ような気がする……。

2016年12月16日金曜日

根が浮き上がった桜のある場所は危ない!? 山桜のイラスト

今日のイラストは「山桜」と「雪山」です。
雪が降る季節である冬に桜!? と思われますよね。
雪が降ったから、春を思いまして……。冬が苦手なので、どうしても春に思いをはせてしまうのです。

桜というと、ソメイヨシノがよく知られていますし、また街路樹として植えられています。

桜はヤマザクラ、エドヒガン、オオシマザクラなどの種類があり、変性や交雑などから数十種類の自生種が存在していると言われています。

ソメイヨシノは、オオシマザクラとエドヒガンの交配種でクローン桜です。
江戸時代末期に、江戸の染井村の庭師や植木職人たちが育成したと言われています。

その実が発芽することはなく、自然に増えない桜です。
ソメイヨシノは、接ぎ木や挿し木など、人の手を介さないと、生存できないのです。

桜守の佐野藤右衛門さんは、著書『櫻よ「花見の作法」から「木のこころ」まで』で、
「夏の染井吉野はかわいそうや」と言っています。

ソメイヨシノは虫がつきやすく、テングス病にもなりやすい。けれど、花が咲く春だけもてはやし、あとは放っておく。夏になったら、誰もソメイヨシノを見ない(診ない)。

枝葉を伸ばし幹を太らせようとしているのに、葉が虫に食われても、枝が折れていても知らん顔をしている。

人が植えたくせに、咲いているのが当たり前という感覚で手入れを怠っている。


ソメイヨシノの寿命が、自生種に比べて短いと言われているのをご存知でしょうか?
60年寿命説というものもあります。

戦後大量に植えられたソメイヨシノが、同じような時期に寿命を迎えるかもしれないわけです。
ソメイヨシノは実生ではないので、いまあるソメイヨシノの寿命が一斉に尽きて、街路に桜が見られないという可能性もあるのです。

ただ、樹齢100年を超えるソメイヨシノもあるので、大切に管理すれば、街路のソメイヨシノも長生きしてくれるのではないでしょうか。

ちなみに、佐野さんは「山桜は放っておけばいい。自分で体調を整えている」と言います。
さすが、強いです。

佐野さんの、山桜に関する記述でためになる情報をもう一つ。

佐野さんは一人で山に山桜を探しに行くのだそうです。
そして、桜の推定年齢を確認し、その後、里山の年配者に山での異変の有無を確認する。

異変があった場所の桜は、根が浮き上がったり、穴が開いていたりする。
とすると、その桜が咲いている付近は、地盤の問題や土砂崩れが起きやすい場所である可能性がある。

昔の人は、そういった場所を避けて集落を作っていたと言います。

根が浮き上がった桜のある場所は、家を建てるときに気を付けたほうがいい。
それも、桜が教えてくれている……そう佐野さんが教えてくれています。

山桜を探しに行くと、その土地の歴史やいろいろなことが分かるそうです。

2016年11月30日水曜日

雪割草のイラスト

魚沼の山の花



昨日アップしたイラスト裏の表……八海山の不動岳から中ノ岳を望むをアップしようと思っていたのですが、今朝、父母と同居している妹より、父母が登山仲間たちとなにやらやっているようだとの連絡が入りました。

尾道
雪割草



以前、ブログで紹介した、お藤さんの藤権現へ向かう途中、尾道とよばれる道があるのですが、そこでなにやらやっているようです。

藤権現 悲しい「逆さ藤」の伝説がある山


雪割草



植樹? なにか植えていますね。



雪割草

看板? なんでしょう。


雪割草


雪割草を植えていたようです(*^_^*)
春どんな風になるのでしょうかね?
温かく見守っていてあげてください。

2016年11月14日月曜日

マツヨイクサのイラスト 月見草の本当の名前




今日は、スーパームーンですね。
68年ぶりに、月が地球に接近するそうです。


68年前のスーパームーンは1948年1月26日、ちなみに、帝銀事件が起きた日です。




さて、イラストは月見草。
でも、本当の名前は、待宵草(マツヨイクサ)。



月見草と呼ばれていますが、本当の月見草はまったく違う植物なんですよ~。


月見草は白い花を咲かせます。



じつは、この待宵草、外来種!
江戸時代末期にやってきて、自生したというので驚き!



夕方から開花するので 「宵待ち草」とも呼ばれています。


黄色い花と、夕方からの開花というので「月見草」と言われるようになったのかもしれませんね。



ちなみに、待宵草にはいろいろな種類があります。


待宵草、大待宵草、小待つ宵草、雌待宵草。


花はみな黄色ですが、葉っぱや茎の形状が異なります。



でも、私にはどれがどれやらわからない……。


イラストの待宵草も、他の待宵草かもしれません、ゴメンなさい。




2016年11月13日日曜日

藤権現の秋実のイラスト  悲しい「逆さ藤」の伝説がある山-藤権現








魚沼市を流れる、魚野川の左岸に位置する「藤権現」。
230mほどの山ですが、山頂からは魚沼市が一望できます。

この山には、悲しい伝説が伝わっています──。



その昔、「お藤」という美しい娘がおりました。
お藤の評判を耳にした殿様が、お藤に城にあがるように申し出たのですが、
お藤には許嫁がいたため、殿様の申し出を断りました。

これに激怒した殿様は、お藤を藤権現の木に逆さ刷りにしたうえ、斬首したのです。

お藤が殺された後、権現堂では今まで咲いたことがない藤の花が……それも逆さに咲きました。

お藤を斬首した殿様は、湯治に出掛けた際、家臣の謀反に遭いあっけなく殺されたのでした。



「逆さ藤」の伝説って、けっこうあちこちにありますよね。
藤が逆さに咲くって、上を向くということなのかしら……?

藤権現の山頂は綺麗に整備されていて、祠や鐘があります。

イラストは、藤権現の秋の実です。

2016年11月12日土曜日

アケビのイラスト 食べてよし、工作してよしの植物



アケビというと、紫色の皮に包まれた、甘いツブツブの実を思い出しますが、その新芽は山菜として食用されているのですよ。
「木の芽」という愛称で、通に好まれる山菜。

ゆでておひたしにして食べるのですが、

ちょっと苦味が(かなりかな……)あり、大人の味ですね。

子どもの頃は、苦みを消すために、マヨネーズをつけて食べていました(#^.^#)
くるみとあえたり、生卵とあえたりすることで、マイルドな味になるようです。

アケビの皮もアクを抜けば食べられるようですが、皮も苦みがあるみたいです。
私は、皮は食べたことがないので、一度食べてみたいです。

そして、アケビの新芽は茶色いツルになります。
固く強くなったツルは、カゴなどを編む道具として使われていますね。

アケビのツルは、江戸時代から農家の日用品を作るアイテムとして活用されていたようです。

自宅の庭にアケビが植えられているのですが、ツルがどんどん伸びていくのでびっくりしました!
すごい、繁殖力ですよ!
こまめにツルをとらないと、凄いことになりますよね。

ツルを採取して、籠を編んでみようかとも思ったのですが……。
いずれ、チャレンジしてみたいです。

イラストのアケビは魚沼市の山、鳥屋ケ峰でのスケッチ。