2020年8月3日月曜日

それら一連の山岳は、 一種の霊気を帯びて、 人の心に迫ってくる



目指す槍ヶ岳の尖峰は、
屹然と中空に聳え、
鋸歯状に輪廓を刻んで、
左手穂高岳へ連り、
右手はゆるやかに延びて、
双六、鷲羽、野口五郎、烏帽子、蓮華、などの諸岳となり、
大気澄む日には、
遙かに白馬岳をも遠望される。
そして高瀬川の峡谷を距てて、
深い山襞に雪を含んでる、
それら一連の山岳は、
一種の霊気を帯びて、
人の心に迫ってくる。

―豊島与志雄―

2020年8月2日日曜日

2020年8月1日土曜日

越中側の斜面には高山植物が多いから、 若返って信濃の国の詩でもつくるのだ



今年の夏は鹿島槍に登ろう。
大沢を出てマヤクボで泊り――これは三時間位で登れるが、天幕を張っておいてから針ノ木岳あたりで遊ぶのだ――次の日は棒小舎乗越ぼうごやのっこし泊どまり。
ここには野営地がある。
次の日は爺を登ってツベタに出、
午後は雪解けの池に棲むハコネサンショウウオを追いまわして遊ぶ。
翌日は鹿島槍、
これもゆっくりやる。
越中側の斜面には高山植物が多いから、
若返って信濃の国の詩でもつくるのだ。

―石川欣一―