りんごかもしれない。
ヨシタケシンスケさんって知ってる?
2018年末。久しぶりに会った友だちから、聞かれました。
ヨシタケシンスケさん、知っていますか?
子どもに大人気の絵本の作者さんだそうです。
友だちいわく「淡々とした文章に、さらっとした漫画のようなタッチの絵が書いてある」とのこと。
でも。
子どもたちに大人気で、学校の図書館ではヨシタケさんの絵本シリーズが、貸し出しの順番待ちでなかなか借りられないというのです。
気になりました。ヨシタケシンスケさん。
そこで。
2019年年明け。ヨシタケシンスケさんの絵本を読んでみました。
【りんごかもしれない】
テーブルの上に置いてある1つのりんご。このりんごについて、男の子がいろいろと考えます。
これはりんご。でももしかしたら、りんごじゃないかもしれない……。
ヨシタケさんのさらっとした漫画のようなタッチの絵が、男の子の想像を描き出します。
単純であるようでいて、奥が深く。哲学チックな絵本です。
さて。
じつは、もう一冊。2018年末から読んでいる本があります。
【結局、人生はアウトプットで決まる】
書店のビジネス書コーナーで
「マイクロソフト伝説のプログラマーが明かす」
「AIが職を奪う時代のセルフブランディング」
の帯に心引かれ購入。
Windows95、Internet Explorer3.0/4.0、Windows98のソフトウェアの基本設計・設計思想を生み出すプログラマーを務めたソフトエンジニアリングの中島聡さんの著書です。
こちらの著書の中に、中島さんが小学校のときは国語が嫌いで、文章を書くのが下手だと思い込んでいたというエピソードが書かれています。
作文や読書感想文で「自分で見たこと、感じたことを素直に書きなさい」と言われると、子どもたちは本音を書いても○がもらえないと察し
「空気を読み、なるべくウソにならないように本の内容や遠足での出来事をだらだらと書きつらねた挙句、最後に「面白かった」などという陳腐な言葉が量産されることになります」本文より抜粋。
中島さんは、作文の授業で子どもたちに出すべき課題として「情報を伝える描写力を求める内容」(文字数を制限した上で)をあげています。
りんごを見たことがない人に、りんごとはどういうものかを説明する内容などですね。
※本文ではランドセルについての説明が例文として掲載されています。
ヨシタケシンスケさんの絵本では、男の子がりんごについて「かもしれない」という考えで自由に発想を広げています。
中島さんの書籍では、感想文や作文を書くとき、子どもたちが「何を感じたかというセンスで自分が評価されるのではないか」という不安を抱き、多くの子どもたちがたぶん「良い成績を取るために感想をでっち上げる」という行動に走っている(仮説)と書かれています。
ここで今日のOTIです。
ヨシタケシンスケさんの絵本が子どもたちに今大人気。
子どもたち。発想の羽を広げているのかな? どんな、作文や文章を書くようになるのか、ちょっと楽しみではないですか?
子どもたちは、未来を感じて、ヨシタケシンスケさんの絵本を選び、中島さんのおっしゃるような文章の書き方を実践するベース作りをしているのかもしれませんね。
AIに奪われない、セルフブランディング。
感覚的に世界や未来に通じる道を見抜き、自分で舵取りをしながら新世界に進んでいるのでしょうね。
感想文でっち上げ犯の私が言うのもなんですが(笑)