先日、おとといに引き続き、角田山の山野草です。
ツバキですね。
椿は言い伝えやいわれの多い花ですが、年月を経たツバキは「化ける」という言い伝えがあるそうです。
江戸時代の浮世絵師・鳥山石燕の妖怪画集「今昔画図続百鬼」に、
古い椿の木に精霊が宿り、人をたぶらかすという絵と記述があります。
この画集の古椿の霊はモコモコしていて、あまり愛らしくないです…。
浦佐毘沙門堂の前立仏がツバキの木でできていて、この浦佐毘沙門堂のツバキと同じ木で作られたという毘沙門天が新潟県各地に点在していますが
人々にとって、椿という木は神聖なものだったのでしょうね。
ところで、私はツバキというと、日本昔話の「夢を買う」を思い出します。
一人の商人と絵描きが旅の途中で出会い、商人が身の上話をしていると、
絵描きは眠ってしまう。
すると、眠った絵描きの鼻の穴からアブが出てきて、
しばらくするとアブは戻って来て、絵描きの鼻の穴に入る。
目が覚めた絵描きは、不思議な夢を見たと言って
山向こうの長者の屋敷の庭に白い椿の花がさく木があり、
その側にアブがいて、木の根元を掘ると黄金が入った壺が出てきたというのだ。
商人は絵描きに「その夢買った!」と言い、金銭を渡して、山向こうへと向かう。
はたしてそこには長者の家があり、庭には沢山の椿が植えられていたが……。
参照:まんが日本昔ばなし「夢を買う」
椿に咲く花は、白ではなく赤なんですねぇ。
何本もある椿の木に咲くのは、全て赤い椿の花。
夢を信じて、長者の家で奉公人として働き続ける商人の姿が
四季の移ろいとともに描かれます。
椿の花が咲き、白い花がなくてガッカリする。
夏の盛りに庭を掃除。秋の枯葉を掃除する。
雪が降る中、蓑笠つけて掃除をする。
何度も何度も月日が巡る。
夢を信じて努力をすれば報われるという、良いお話しです。
このお話は、佐渡島の昔話だそうですよ。