今日のイラストは佐渡島「願(ねがい)」集落です。
願は二つ亀と大野亀に挟まれている集落で、先日紹介した賽の河原がある場所です。
⇒佐渡島 賽の河原
願集落から二つ亀へと向かう遊歩道の途中に、賽の河原があります。
賽の河原と「願」という名の地名が、マッチしているようでマッチしていないような、不思議な感じです。
願をポジティブで希望的な言葉として考えると、
あの世とこの世を結ぶ三途の川の河岸である賽の河原で願うのは
合わないような気もしますが……。
自分のための願いではなく、人を思っての願い……。
亡くなった人や家族が、三途の川の向こうで幸せに過ごして欲しいという願いと考えると、願という地名と賽の河原がしっくりくるように思います。
賽の河原には、子ども地蔵がたくさん置かれているのですが、親が子を思って置かれたのでしょうね。
彼岸では子が親を思い石を積む。此岸では親が子を思い地蔵を置く。
それぞれの願いが交差する河岸が賽の河原なのでしょう。
「願」という地名の由来は、大野亀に願掛けをすると、願いがかなうということから来ているそうです。
どのような願掛けをするのか。
賽の河原という場所ですから、亡き人の幸福を思っての願いが多いのでしょうね。
ちなみに、願集落には佐渡西国三十三観音の二十三番「施願観音」があります。
1東強清水~2逢田観音~3河内観音~4観音寺~5帰郷観音~6六句観音~7斉藤観音~8宿根木~9小太観音~10子安観音~11横山観音~12豊田観音~13新町観音~14三宮観音~15下新穂~16阿弥陀堂~17火伏観音~18円慶堂~19吾潟観音~20久知河内~21白瀬観音~22見立観音~23施願観音~24岩谷観音~25入川観音~26千佛堂~27波切観音~28下戸観音~29治門観音~30知空堂~31石田観音~32本屋敷~33堂林観音
番外─光善寺、稲葉堂、大浦観音、田中観音
本部─れんげ寺
となっております。
西国巡りは人気ですよねぇ。
浦佐毘沙門堂の後ろの山にも西国三十三番観音巡りありました。
>>浦佐毘沙門堂裸押合祭り
誰かを思って願う、日本人の優しさを感じる地名ですね。